血縁選択説の提唱
自然選択説に基づいて考えれば、群れ全体の利益に貢献するよりも、自分本位な行動をとる個体が生き延びそうなものである。ウィン=エドワーズやローレンツが群選択説支持を明らかにしたのと同じ1960年代に、群選択説に疑問を持った進化生物学者デイビッド・ラック、G.C.ウィリアムズ、ジョン・メイナード=スミスらは群選択説の論理的誤りを指摘した。また1964年にW.D.ハミルトンによって血縁選択説が提唱された。それによって、群選択説の例とされた利他的行動の多くは個体自身や遺伝子自身の利益という視点から説明可能であることが判明した。血縁選択説はその後社会生物学として発展し、1970年代の社会生物学論争を経て次第に広く支持されるようになり、自然選択のメカニズム解明に貢献した。
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なお、上記の例の中ではレミングの集団自殺は映画にまでなったが、映画自体はやらせであったことが分かっている。
群選択が理論的に起こらないか、現実では起こりにくいだけなのかが再検討されている。「種のための行動」のような考えを支えた、古典的な群選択は基本的には起こらないと考えられている。たとえ群れ間の競争で有利になれるとしても、群れの内部での競争の方が個体に対して強く働くため、真に利他的な形質は淘汰されるからである。しかし個体の移動がほとんど無い、突然変異がほとんど起きない、個体群の絶滅が頻繁に起きるなどの非常に限られた状況下であれば、古典的な群選択も理論的には起こりうる。